
【第2回基礎講座 「きく力」を身につける】
日時|2025年4月19日(土)10:00–15:00(昼休憩1時間)
場所|愛媛県庁 第一別館6階 トライアングルベース
講師|西村 佳哲(働き方研究家 / リビングワールド代表)
「聞き上手」という言葉をよく耳にしますが、今回の講座では、日常生活の中で息をするのと同じくらい当たり前にしている、会話・対話の「きく力」について考えていきます。


昨年に引き続き講師は、働き方研究家 / リビングワールド代表の西村佳哲さんです。人によって「注目するポイント」や「感じ方」が違うことを意識しつつ、西村さんの出すテーマに対して、ひめラー同士で【きき手/はなし手/観察者】の役割をローテーションしながら対話形式で進行していきます。

「『きく力』はなぜ大事か」について、耳だけではなく見ることや身振りなど、声の情報以外の方法でも「きいて」いることを意識すれば「はなし手」の話の内容や、話ぶりにも変化がでてくるというお話が西村さんからあり、講座全体を通して「きく」を考える上でとても重要なことを学びました。


テーマに沿った「きき方」の実践に、初めはひめラー自身の普段のきき方の癖が出てきて少しぎこちない様子もありましたが、普段は無意識に使い分けている3つの役割を意識しながら、徐々に実践に慣れていく中で、きき方にはいくつかのパターンがあることを認識したり、きき方がはなし手に与える影響を感じたりする様子もあり、また意見交換も大いに盛り上がる中、お昼を迎えました。

午後からは、「はなすことを可能にするきく力」を考えていきます。
ひめラーが感じ取りはじめてきた、きき方の違いによるはなし手への影響をよりわかりやすく理解するために、西村さんが運営スタッフの鈴木さんに向けて、2種類のきき方を意識して変えるデモンストレーションを行いました。
同じ話題でも、きき方(話の持っていき方)が変わることによって、はなしてもらえる内容やその充実度の違いが出てきて、ひめラーの皆さんも興味津々。いくつも質問が飛び出しました。


質疑応答の中で、ひめラーにとっては「沈黙が多く、一見はなし手が困っているように見えていた」のが、実は鈴木さんにとっては「考えを整理したり反芻したりしていた」ことが分かったり、どちらのきき方にも一長一短あることから、今回試したきき方をどのように使い分けるかという質問に対しては、西村さんから「相手をよく見ることです。」というアドバイスをいただいたりしました。これからひめラーとして活動する中で多くの人と交流をしていく機会があるため、とても有意義な質疑応答の機会になりました。


続いて、ひめラーの皆さんも2種類のきき方を実践していきます。
実践を通して、ひめラーの皆さんから、「相手の話を『きいている』と思っていたが、実は自分の思考や知覚に焦点が当たった話ぶりになっていた」という気付きが生まれたり、「はなし手に関心をもつことが、より良いコミュニケーションに繋がることがわかった」といった感想がありました。普段の自分が相手の話のどんなところに関心を持って会話をしているかを、より深く意識することができている様子でした。
また、西村さんから言葉と身体の関係や、2種類のきき方それぞれで反応する身体の部位の違いについてお話があり、その感覚は私自身も体感としてわかる気がしてとても腑に落ちましたし、ひめラーもその言葉を呟きながらよりイメージを深めている様子で、納得していた姿が印象的でした。

今回の講座で、今後のひめラー活動の大事な核となる「きく」ことについて学ぶことで、「きく力」を身につけることは簡単ではないけれど、意識をすることがとても重要だということや、「人の話をきく、関心を持つ」ことで創造性が開かれることについて理解し、考えを深めることができました。
(art venture ehime 運営スタッフ 竹宮華美)