【アクセス実践講座(コース1)第1回】
日時|2024年9月7日(土)9:00–16:00(昼休憩1h)
場所|内子町
講師|井口梓(愛媛大学社会共創学部准教授)
今回から始まる内子町でのアクセス実践講座。
この講座では、具体的な社会課題に関わる状況や活動を知りつつ、地域の文化資源やコミュニティにアクセスしづらい人々がアクセスできるようになる方法を考えていきます。第4回基礎講座にて講師を務めていただいた井口先生と、井口研究室の学生の皆さんが実際に研究や実践を進められてきた内子町を主な会場として、一緒に学びを深めていきます。
初日の講座は、「内子座かたづけタイ」にひめラーの皆さんが参加するところから始まりました。
というのも、内子座は、保存修理工事のため、今年の9月から4年間休館になるそう。
国指定の重要文化財である「内子座」の保存活動の一員となって、館内の貴重な物品や普段は見られない内子座の歴史に触れながら、館内の整理や清掃を行います。
片付けを始める前に、まずは井口先生から講話がありました。「国指定の重要文化財とは、国民の文化的向上に資するもの。つまりそれは、わたしたちみんなの文化財ということです。文化を残すことは、『わたしにできること』を行動に起こすこと。片付けはまさにその第一歩です。」その言葉は、内子座でのかたづけに取り組む気持ちを一層高めました。
内子座に思い入れのある地域の方々も参加される中、100年の歴史を誇る内子座に想いを馳せながら、ひめラーも丁寧にかたづけを進めました。
作業終了後、記念撮影をパシャリ。
午後は、車で30分ほど移動し、内子町小田地区に会場を移します。
小田商店街を徒歩で約10分ほど散歩し、お宿にのみや(旧:二宮邸)へ。
お宿にのみやは、林業が盛んな内子町小田にある木造古民家で、小田の名誉町民・二宮幸己氏の自宅兼事務所(製材所)です。国の登録有形文化財としても知られ、現在は宿泊施設兼イベントスペースとして利用されています。また、井口研究室の皆さんが小田地区で聞き取り調査をした内容を、記録として模造紙に書き残す際に使われる場所でもあります。
まずは、井口先生から第4回基礎講座の振り返りをした後、アクセス実践講座で取り組む内容や、講座の中での重要なポイントについて共有いただきました。
「文化が途絶えたり、消えたりすることはある種、選択の結果だから怖くない。地域がそのものから関心がなくなった時や、そのものがなくなって残念だという会話すら生まれないのが世の中で一番怖い。だから地域の語りに耳と心を傾け、寄り添い、ともに感じている。」そんな井口先生の言葉は、ひめラーの皆さんにとっても印象的なものでした。
次に、小田地域で活動されている方々からお話を伺いました。いころ会の久保宮さんからは、内子町小田地区がどんな町なのか、かつての生活や、祭り、子どもの遊び、方言など、文化的な視点からお話しいただきました。どい書店の水本さんからは、ドローンで撮影した小田の風景を、第4回基礎講座でも紹介があった土居通康氏の記憶画と比較しながら、地域を紹介いただきました。
最後に、水本さんの案内のもと、小田商店街の中にある「どい書店」を見学し、今回の講座は終了しました。
(art venture ehime スタッフ 鈴木宏佳)