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【ひめラボ活動報告】オリエンツアーやってみようin内子

2025.03.11

日 時|2024年10月3日(木)12:00–22:30
    2024年10月4日(金)9:00–11:30
場 所|内子町内子エリア(COWORKING-HUB nanyo sign・下芳賀亭・天神社・町並み・ゲストハウス&バー内子晴れ・旭館)
ラボ参加ひめラー|山口聡子、宮本奈苗、清家由佳、赤木一徳、大江泰代、南澤悠佳、秦元樹、藤内伸二、久保祐愛  
ツアー参加ひめラー|山口聡子、大江泰代、清家由佳、秦元樹、宮本奈苗、赤木一徳(オンライン)

【報告書記事パラグラフ】
① 企画趣旨 / 実施までのプロセス
・7月28日
・9月10日
・9月28日
② ツアー1日目
・町歩き
・天神社での作品制作立ち合い
・奉納作品での対話型鑑賞
・アーティストトークの聞き手
・ここまでの振り返り
・地域の人との交流
③ ツアー2日目
・全体を通じての振り返り
・終わりに


①企画趣旨 / 実施までのプロセス

7月28日

このひめラボは、7月28日の第6回基礎講座「この指とまれ/そこにいる人が全て式/解散設定」を経て、これまでの基礎講座を受け、art venture ehimeについて、ひめラーそれぞれが思っていたことを重ね合わせて生まれました。
地域とアートの交流で繰り広げられるであろう「地域独自の景観・今までに育まれてきた地域文化」と「現代アート」の融合を通じ「地域の人々」と「その地に訪れる人々」との交流を通じて地域の魅力を今以上に発信して行きたい。
そこで自分達のまだ知らない地域の魅力のことをもっと知りたい!
また、アーティスト達がどのような刺激に反応するのかが知りたい!
それらをリサーチした上で私達の感じた「地域の魅力」を伝えたい!
そしてそれがどのように作品に生かされていくのか?を感じたい

でも、オリエンツアーって掘り下げてみると誰のため?何のため?なぜ必要?どういう視点が大切なの?
みんなの頭の中だけでは解をみつけたことにならないから実際にやってみて、感じてみることが大切じゃないだろうか?そんな思いをもとに、まずは自分たちでオリエンツアーを企画することになりました。

9月10日

ラボメンバーのひとりが深く関わりを持つ内子町をフィールドに、1泊2日の企画を進めるためのたたき台を作成しました。この内容をオンラインで全メンバーと共有し、次回のミーティングに向けた準備を進めます。
・作品を創るアーティスト
・地域に暮らす人・エリアに日々関わる人
・アートコミュニケータとしてのひめラー
まずは、この3者が交わることのできる接点をつくる。
・ちょっと先に完成する作品を観に訪れる人
も含めて、どの立場の人のことも想像しながら、企画を構成していきました。

9月28日

art venture ehime project room にて、打ち合わせを実施しました。
・このひめラボに興味を持ったきっかけをそれぞれシェア
 ・今治でアーティストインレジデンスを実施されている方と話された内容についてシェア(秦さん)
 ・藤内さんが司会した、砥部でのアーティストインレジデンスのトークイベント参加報告(大江さん)
・今回の内子でのツアーの詳細について
・このひめラボのゴール、解散をどうするか?
・このツアーの目的は?
等について話し合いました。
・ゴールについては、今回のツアー終了と同時に解散
このツアーの目的は、このツアーを体験することで、ひめラーとは?アートコミュニケータとは?それぞれが自分自身のひめラーとしての在り方を意識できればいいね。という話になりました。
なぜ1期ひめラーとして私たちが選ばれたのか?ひめラーに求められているものは何か?といったような話も盛り上がり、今後の活動についての道筋が見えてきた気がしました。 せっかく素敵なイベントが企画できたので、前日当日の参加表明でも構わないので再度、参加を募ろうという話にもなりました。

10月3日、4日

そして、ラボメンバーのはじめの一歩として「まちの魅力探しロケーションハンティング」を愛媛県内子町内子エリアにて、開催しました。


②ツアー1日目

町歩き

ツアーの始まりは、町歩きとランチから。
風情ある摘み草料理は、内子の自然の恵みをそのまま味わえる逸品でした。お店で案内人の方が伝えてくださる文化財や歴史の背景を耳にすると、風景が単なる「景色」ではなく物語を秘めた舞台であることを感じました。
その視点で、建物・町並み・行き交う人たち・目に映るものを見つめていく。歩く速度で一緒に「みる」「考える」「話す」「聞く」を繰り返す町歩きには、沢山の発見がありました。

天神社での作品制作立ち合い

その後、町を一望できる神社へ。そこで待っていたのは、アーティストインレジデンス中のアーティストとの出会いです。彼女が私たちに用意してくれたサプライズは、その場で作品を描くというものでした。
作品が生まれる瞬間――その場の空気が張り詰め、手がキャンバスを滑る音だけが響く中、私たちは息をのみただ静かに見守りました。このとき、私たちは言葉を交わす以上に、アートと一体となったフィーリングを共有していたのかもしれません。時がゆっくりと流れるその場にいるだけで、何か大きなものに包まれている感覚を覚えました。

奉納作品での対話型鑑賞

また、神社に奉納された作品を用いた対話型鑑賞では、アーティストも一緒にそのプロセスを体験していただきました。作品を媒介に自由に感想を語り合うことで、言葉だけでなく感覚や思いが自然と共有されていく一体感が生まれました。作品の前で生まれる沈黙や笑顔、そしてときに交わされる視線も、アートを通じた深い対話を生み出していました。私たち「ひめラー」として、アートを通じて人と人をつなぐ役割を果たせたことは、アーティストにも新しい視点を提供できたと感じています。

アーティストトークの聞き手

続く時間では、アーティスト自身から神社への奉納作品制作の背景や、この地で活動する意味、大切にしていること、伝えたいことを伺いました。神様が心地よいようにと神社の総代さんに訊ねながら天神社を清め制作される、そんな心情が神様にも町の人にも受け入れられているのでしょう。彼女の語る言葉が土地や作品の魅力を改めて感じさせ、共に時間を過ごす中で私たちの感性はさらに深くつながっていきました。

天神社でのアーティストインレジデンス訪問を終えた後、階段を下り、町へと降り立ちました。その後はガイドの案内を受けながらの町歩きです。案内人からは、ご自身の手持ちの資料や日々の活動記録から、現在の内子町がどうやって築かれていったのかを色々な角度からお話を聞かせていただきました。町並みから見えるこれまでの産業や文化がどのように形成されてきたのか、そして住民たちがかつて気づかなかった町の価値をどのように守り、未来へと繋げていこうとしたのか、そんな取り組みについて話を伺いました。

また、現在も新たにリノベーションして宿泊施設や店舗が生まれつつあります。一方で誰も住まなくなった空き家、空き物件も増えています。それらの内部に至るまで、さまざまな場所を案内してもらいました。過去から現在、そして未来へと続く町のストーリーを丁寧に聞きながら、ゆっくりと歩みを進めます。道中、観光客や町で生活する人々とすれ違いながら、それぞれが町の風景を観察し、心に留めたことや魅力的だと感じたことを自然とシェアし合いながら巡りました。

町の魅力や課題、これからの可能性も含めて、アーティストの方にも閃きや関わりの余白を感じるのでないでしょうか?

ここまでの振り返り

内子の町を題材として、アートコミュニケータとして関わっていく相手(アーティスト、地域のキーパーソン)と触れ合う濃密な時間でした。その後この半日で印象的だったことを振り返り、これからひめラーとしてどうありたいかを出し合いました。事前にリスペクトの気持ちを持って相手を知ること。知ったうえで双方が心地よくいられるような接点をつなぐこと。アーティストと地域の人の間を行き来しながらフラットに調整役になることかなと確認しました。

地域の人との交流

夕食は、地元の人たちとの交流会です。
夜の交流会のために集まってくださったのは、内子町の伝統産業の和蝋燭や和紙の担い手・つなぎ手の方から地域づくりにかかわる人たち。それぞれの活動についてのお話の端々に、町へのリスペクトに根ざす愛を感じました。また、彼らの
「何だかんだ集まって駄弁ってんのよ」「ないなと思ったら作るだけ」
という雰囲気に気負わない町づくりのエッセンスを学びました。知らないことがいっぱいで、今回沢山の魅力を知ることができました。愛媛の魅力を知る事はひめラーとして大切な第一歩だと改めて感じました。他の地域の事も、もっともっと知りたいと思いました。私たちにも「皆さんにとってのアートとは?今どんな活動をしているの?」といった問いをいただき、お話しすることで、改めて自分たちが大切に思っていることを共有する時間にもなりました。

交流会の終わりに、希望者のみで町の人が管理する深夜の映画館にお邪魔して一緒に過ごしました。
ライブ映像をぼんやりと観ながらたわいもない話をする時間は、ただただ贅沢でした。くつろいだ表情の合間にも、もっと良くなるためにこういうものがあったら良いなという思いが見え隠れします。
集う仲間たちが町にいて、その人たちでこの町でこうなりたい、少し未来の話を等身大で語ることが出来る今日の皆さんの姿が思い返されました。なんか凄い時間だったと思います。ですがこれが日常の一コマであることがとても大事なことのように思いました。


③ツアー2日目

全体を通じての振り返り

2日目は、昨日の天神社での体験、町歩き、交流会でそれぞれが感じたことを振り返りました。
そして今後、アーティストさんにオリエンテーションツアーをする際に、私たちひめラーがどのようなあり方で対応していくのがいいかという話になりました。
アーティストさんの想い、地域の方たちの想い、それを受けて私たちが感じたこと、どうしたいのか、どうするのがいいのか?様々な想いを思いつくまま声に出し、言語化し、再度目で見て確認して、を繰り返しながら、それぞれ深めていきます。その後、今回のひめラボの隠れ(本質的な)テーマでもある
「それぞれが、ひめラーとしてどうありたいか?」
について個人で考えて、それぞれの思いを発表し、共有しました。

終わりに

基礎講座が終わり、実践講座が始まっています。ひめラボもぞくぞくと立ち上がっています。
アーティストさん、地域の方、そして、ひめラーの仲間と交流したことで、ひめラーとしてだけでなく、
「私はなぜ、ひめラーに応募したのか、選んでいただいたのか、学びを活かして、自分自身がどうありたいか」といったことまで考えることができ、大満足、(お腹一杯過ぎて、まだ消化しきれていませんが(笑))でした。

最後に、清家さんが持ってきてくださったみかんで、愛媛ならではの活用をさせていただきましたので、共有させていただきます。

内子町の風土や人々の営みとアートが共鳴し合いながら、参加者一人ひとりに特別な体験をもたらしたこのツアー。ここから新たな創造の種が宿った感じがしました。
art venture ehimeは、まだ始まったばかり。
地図のないところから、進みながら、出来ていく。
わたしたちもアートコミュニケータという「表現」を
これから、試行錯誤しながらも描きつづけ、育みつづけるのだと思います。
ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
(1期ひめラー 山口聡子・大江泰代・清家由佳・秦元樹・宮本奈苗・赤木一徳)

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