MENU

art venture ehimeフォーラム「ここにある豊かさ」を詠む(2026年1月31日開催)

2026.02.06

日時|2026年1月31日(土) 13:00〜16:30 [開場12:30]
場所|砥部町中央公民館 講堂

今年のフォーラムは、art venture ehime fes 2025の会場にもなった砥部町にて開催しました。句会ライブやトークセッション、フェスの振り返りや記録の展示など、様々な体験を組み合わせながら、来場者一人ひとりが「ここにある豊かさ」を見つけていく時間となりました。

夏井いつき句会ライブ「ここにある豊かさを詠む

[登壇者]夏井 いつき(俳人・俳句集団「いつき組」組長・エッセイスト)

まずは俳人・夏井いつきさんをお迎えし、句会ライブを行いました。会場にいる参加者全員が、1枚のフェスの記録写真をもとに俳句を考え、参加者同士で「どんな情景が見えたのか」「どんな体験と結びついたのか」「なぜその句が心に残ったのか」を共有し合います。

一人ひとりが句を考え、共有し、みんなで見ること。そして、気づきや感想を言葉にして発表すること。その言葉を聞き、さらに考えを深めること。これは対話型鑑賞にも近い体験でした。俳句の言葉や音を通して、一つの正解を探すのではなく、「どう見えたか」を互いに持ち寄りながら、それぞれの思い出や経験などをもとに愛媛にある豊かさを共有する時間となりました。

トークセッション “アート×愛媛”の未来を語る

[登壇者]
中村 時広(愛媛県知事)
日比野 克彦(東京藝術大学 学長)
夏井 いつき(俳人・俳句集団「いつき組」組長・エッセイスト)
中島 佐知子(1期ひめラー)
薦田 侑二郎(2期ひめラー)
[聞き手]二宮 敏(art venture ehime プロジェクトマネージャー)

続いてのトークセッションでは、art venture ehimeや、art venture ehime fes 2025の活動を振り返りながら、アートコミュニケーションが地域にもたらす可能性について語り合いました。
まずは、フェスのプロセスとなる、アートコミュニケーションブック、アーティストの選考から制作、会期中の出来事を振り返り、その後は中村知事から、art venture ehimeの立ち上げの背景をお話しいただいたり、フェスの作品公募で審査員を務めた夏井さんに、審査の大変さや、実際に展示された作品を目の当たりにした時の感動についてお話しいただきました。日比野学長からは、国内の芸術祭との比較を交えながら、ひめラーという存在がこのフェスの大きな特徴であること、作品やフェスの取り組みそのものを“伝え、つなぐ人”が地域に残っていくことの意味をお話しいただきました。

ひめラーの中島さんからは、今治市民会館前の普段は駐車場として利用されている場所が、1日だけ広場として復活したフェスのプログラムに参加した際に、来場者の方から、「昔はここが本当に広場だった」という話を聞き、記憶がよみがえる瞬間に立ち会えたときのエピソードを紹介いただきました。ひめラーとして参加したからこそ得られた喜びや気づき、そして、こうした出来事を誰かに伝えることで、次へとつながっていく可能性についてもお話しいただきました。また、ひめラーの活動を通して、「地域の中で私らしいやり方で何かできないか」を模索する中で、形のないものや、すぐに成果にならないものに向き合う時間の中で得られる気付きや面白さが、自分の中に積み重なっていったことなどをお話いただきました。

同じくひめラーの薦田さんからは、愛媛県総合運動公園の体育館にて、愛媛のシェフ、デザイナー、ダンサーが協働し、体育館が一夜限りのレストランになる、フェスの食のプログラムを紹介いただきました。バスケットボールの審判もされている薦田さんにとって、普段活動する場所がまったく違う景色に変わる体験を熱く話していただいたり、フェス期間中の様々な体験を通して、普段のひめラーの活動や、フェスにおけるひめラーの存在が、すでにある豊かさをつないでいく役目を担っていることについても語っていただき、ひめラーの活動が、遠くにある何かを求めるのではなく、「ここにある豊かさ」を見つけ、それを人や場所へと繋いでいく「連なり」にあるという気付きが共有されました。

ひめラーの2人の話を受けて、夏井さんからは、「いつき組」の組員が地元の公民館や集会所で俳句の楽しさを伝えている活動を紹介しながら、ひめラーの取り組みは「いつき組」の考え方や取り組みと同じであるという視点からお話しいただき、日比野学長からは、この数十年の中で、ひめラーやいつき組と同様の取り組みが各地で生まれていることに触れながら、予測できない、不確かな時代の中で、人や思いが繋がっていくことで新たに行動が起きていくことの大切さを改めて共有いただきました。トークセッションの最後には、中村知事より、このart venture ehimeの取り組みや広がりが、2028年に愛媛で開催される国民文化祭にもつながっていくことや、さらなる裾野の広がりへの期待が語られました。

アートコミュニケーション ミュージアム
記録と記憶の結び目展

会場では、art venture ehime fes 2025で生まれた出来事や関係性を写真、映像、資料を通して、振り返る展示も行いました。来場者からは、「愛媛の魅力が再発見できた」「愛媛のことがもっと好きになった」「こんなことが各地で起きていたんだと初めて知った」という感想や気付きを共有いただきました。成果だけでなく、過程や繋がりを共有し、会場で新たに感想や気付きを取り入れながら、次の誰かの入り口になる、種まきでもある展示になりました。

今回のフォーラムを通して、豊かさはすでに足元にあること、そして、それを周りの人と見て、話して、言葉にして、気付きを得ていくことの重要性を改めて感じるものになりました。
これからも、ここにある豊かさを、皆さんと一緒に見つけていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

(art venture ehime運営スタッフ 鈴木宏佳)

すべて(42)
カテゴリー別
アーカイブ別
art venture ehime fes 2025 はこちら