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基礎講座①「オリエンテーション」

2025.04.16

【第1回基礎講座 オリエンテーション】
日時|2025年4月13日(日)10:00–15:00(昼休憩1時間)
場所|愛媛県庁 第一別館6階 トライアングルベース
講師|伊藤 達矢(東京藝術大学 社会連携センター教授)

桜の散りはじめた愛媛県内の市町村から32名のひめラーが集まり、2年目のart venture ehimeの活動がはじまりました!
午前中は運営スタッフの紹介、art venture ehimeの事業やひめラーの活動についての説明を行い、講師の伊藤達矢教授から「アートコミュニケーションとは?」というテーマでお話いただきました。

初対面のひめラー達は、3人グループに分かれて「アートとは何か?」「アートコミュニケータとは何か?」というお題ごとに自分の考えを話すワークショップを行い、「それぞれが自分の考えを伝え、それを残りのメンバーでしっかり聞くことが大切です。」という伊藤教授からの言葉もあり、この答えのないこの問いに対してひめラーたちは真剣に考え、お互いの意見を伝え合いました。

ワークショップで出た感想を踏まえて、「寛容性」と「創造性」の相関関係について、「既存の価値観にとらわれない考え方を寛容に受け入れられる都市はクリエイティビティ層に好まれる。」というクリエイティブ都市論に関連して、東京藝術大学取手キャンパスで実施している「ヤギの目」というプロジェクトの活動をきっかけに取手市に実際に足を運び、そして自分も取手市で生活することになった方のお話から、藝術大学の活動が地域に与える影響についての事例を伺いました。

また、アートにおける「ケア」については、一般的に想像する人々がそれぞれ抱えている困難なことを、介護、介助したりすることだけに留まる話ではなく、自分と違う価値観や困難を抱えている人が、異なったその状態のままお互いが存在し合える状態を共有できる場所を作ることが、伊藤教授の考える「ケア」であり、この「ケア」がない状態だとクリエイティビティや創造性は広がらないというお考えを伺いました。

受け入れてもらえる物理的、精神的な土壌があることが、創造性やアートに触れて感じていけることの第一歩であると言うことを改めて考えることができて、これからひめラーが活動をしていく中でもとても重要になる視点だなと感じました。

事業紹介では今年秋に開催するart venture ehime fes 2025についても触れ、公募で集まるアーティストとアートコミュニケータのひめラーがどのように関わっていくかの説明がありました。このアートフェスティバルは、公募で選ばれたアーティストの作品を、とべもり+(プラス)をはじめとした県内のさまざまな場所で展示するものです。

伊藤教授からは、アーティストとひめラーは同じ立場であり、協力しながら刺激をし合っていけるような存在になっていってほしい。そのためにも、これからはじまる基礎講座や実践講座でぜひたくさんのことを学び、アーティストをただサポートするだけではなく、自分たちもプレイヤーとして地域の魅力を掘り起こし、アートコミュニケータしかみえない視点をアーティストにも繋げていく存在であることを忘れないでほしいとのメッセージをいただき、ひめラーがどのように活動していくのかを知るヒントを得ることができました。

午後の前半、2期ひめラーは活動する上での基本ガイダンスを行い、1期ひめラーも別の場所に集まりました。今年度から2期ひめラーも加わり、またart venture ehime fesも開催され、活動の機会がさらに外に向かって広がっていく2年目の「これからの動き」について考えを深めます。伊藤教授と、プロジェクトマネージャーの二宮敏さんから「このアートフェスティバルは、その活動がフェスティバル期間中だけに限定されるのではなく、準備やフェス終了後も継続して地域と関わりを持ち、その魅力を発信していくことで、フェスティバルの先にある愛媛県の文化事業が豊かになり、持続していくことを目標としたいと思っています。」との考えを伝えられました。

それを受けてひめラーからも「展示されるアート作品を地域の人が“なんかやってるね”と他人事にするのではなく、その人なりの作品の解釈を持って自分の言葉で話してもらえるような状況に出来るといいのではないか。」、「地域の人をアーティストやアートコミュニケーターの活動から置いてけぼりにならないような工夫が大切だと思う。」といった考えや提案がいくつも出てきて、これからのひめラーたちの活動とアーティストやアーティストの作品がどのように影響し合っていくのか、とても楽しみになりました。

続いて、後半は1期と2期で顔合わせをしたり、交流会を行いました!
今回の交流会は、1期ひめラーがひめラー同士の交流をより豊かなものにするために、どのような内容で場をつくるか考え、準備をしてきました。

まずは、昨年1期ひめラーが基礎講座の中で行った「ショーアンドテル」を行っていきます。
1期と2期が混ざったグループに分かれ、それぞれが大切にしているモノを紹介しながら、互いの価値観や背景を知る時間となりました。ワイワイとにぎやかな雰囲気のなかで、モノを介し自分を語ることを通して、自然と距離が縮まっている様子でした。

その後は、愛媛県をフィールドに活動していくひめラーならではのワークショップとして、東予・中予・南予の地域ごとに分かれて、改めて自分たちの暮らす地域について話し合ったり、それぞれの地域ので新たな出会いを感じることで、お互いの共通点を見つけあったり、親近感の中から交流をより深めていきました。

最後は全員で記念撮影!art venture ehimeのロゴマークのように、愛媛という大きな地域を繋いでいく撮影方法も、1期が考案したものです。
art venture ehimeの活動が、地域にどんな変化や広がりを生み出していくのか、今からとても楽しみです。それでは、これから1年どうぞよろしくお願いいたします。

(art venture ehime 運営スタッフ 竹宮華美)

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