
和田玲子さん
社会福祉ソーシャルワーカー、ケアマネージャーとして高齢者福祉の分野に関わる。世代を超えたコミュニティづくり、サードプレイスの創出に興味がある。
―ひめラーになったきっかけについて教えてください。
和田私の仕事は社会福祉ソーシャルワーカーです。ケアマネージャーも兼務しており、利用者や家族、施設など関係機関との調整や連絡など、高齢者分野に携わっています。普段の仕事の中で、団塊の世代やそれより上の方々と接する機会が多いのですが、まだまだエネルギッシュで、さまざまな能力や趣味をもった方がたくさんいらっしゃるんです。施設で暮らし始めると、どうしても行動範囲が狭くなったり、関わるコミュニティが限定されがちですが、利用者さんの心と体が元気になるように、何か私にできることはないかと思っていたところ、ひめラーの募集を見つけました。
和田最初はアートって自分で何かを生み出すイメージで、私には全然できないと思っていましたが、描いたり造形したりすることだけでなく、地域で人や物をつなげてコミュニティを作り上げていくのもアートの一部なんだなと知り、自分がやりたいこととリンクして、応募してみようと思いました。
―実際に活動してみて、印象深かったことを教えてください。
和田一つは、ひめラーのメンバーとの出会いです。私は生まれてからずっと愛媛にいるので、将来的に県外に出てみたいという憧れがあったんです。ひめラーの活動をする中で、愛媛に移住してきた方や県外で働いて戻ってきた方の話を聞く機会があり、外からの目線で愛媛の良さを改めて知ることができました。みなさん、いろんな分野で活躍されていて、いろんな年齢層の方がいらっしゃるんですが、そこで自分にはないものに出会うことができたのと、この年になると「知らないことを、素直に知らない」って言いにくいなと感じていましたが(笑)、ここではそれが言いやすい環境なので、知らないことを人に聞いたり、メンバーと一緒に体感したりする楽しさが生まれました。
和田もう一つは対話型鑑賞です。講座で勉強させてもらった、「見る・聞く・話す・考える」ということの大切さ、そしてファシリテーターという役割を担うにあたり、自分の弱みにも強みにも向き合うことができました。人と人がつながっていく楽しさを味わったと同時に、自分自身がどんな役割でどんなふうに意識して進行すればいいかを突きつけられ、実践する中で何か少し見えてきたのかな、と感じています。仲間と一緒に活動ができるというところが本当に楽しく、学びの場になりました。
―自分の活動に生かせると思うものはありましたか。
和田実践講座で今治のアシックス里山スタジアムへ行ったときに、人のふれあい、そして共助のコミュニティの理念に触れて感動しました。スタジアムにいた高齢者の方はカフェに座っていて、「ここに来てよ、ここは楽しいよ」って言われていたんです。高齢者の方々は私達世代よりも実はすごいものをもっていて、地域の専門家がたくさんいるっていうことに気づいていましたが、それをどう地域に生かしていったらいいのかというヒントをいただき、物の見方が変わりました。
―どんな方にひめラーに参加してもらいたいですか。
和田高齢者分野でひめラーに携わる仲間がもっと増えたら嬉しいですね。私は今までアートには無縁で、特に趣味も特技ももっていないんです。ですが、感動を覚えたり、あの人すごいなと感じたりする感覚的なものは私に限らず、みなさんもっていますよね。どんな方でも、何か熱さや情熱があればひめラーになっても大丈夫だと思います。