【第4回基礎講座 愛媛におけるウェルビーイング】
日時|2024年6月29日(土) 10:00–15:00 (昼休憩1h)
場所|愛媛県庁 第一別館 6階 トライアングルベース
講師|井口梓(愛媛大学 社会共創学部 准教授)
今回の講座では、愛媛におけるウェルビーイングについて、実際に愛媛県にある限界集落での取り組みを学びながら、考えを深めていきます。限界集落や消滅可能性都市ということについて、どのようなことが思い浮かぶか、どのようなことを考えるか、想像することから本日の講座は始まりました。
次に、井口先生が愛媛県内子町小田地区で実践してきたことをもとに話が展開されていきました。そして、その話をもとに、”集落に生きる”幸せや、”集落に生きる”豊かさについてひめラー同士で話し合いました。
また、小田町の大平という集落出身の土居通康さんによる、人物や場所が特定できるほど精密に描写された記憶画をもとに、昭和初期の小田町での生活や暮らしの様子を、井口先生の解説を交えながら「何が描かれているか」観ていきました。
午後は、グループに分かれて、土居通康さんの記憶画や、絵の中で描かれている民具を手に取りながら、「絵や民具から感じたこと」であったり、「子どもたちにどう伝えていくか」という視点から「当時の暮らしの豊かさや心の豊かさ、自然との関係、大切にしたい想い」をひめラー同士で話し合い、考えを深めていきます。
そして、ひめラー同士で話し合った内容をグループごとに発表していきました。
「心の豊かさとは感謝の心ではないか。物質的に豊かな現代においては物があることが当たり前になってしまっているが、当時は生活の中から“有り難さ”を見出していた。『どういった思いで、なぜそういった民具を使っていたのか』考えたり、『民具を通して心を満たす』感情の体験を通して子どもたちの心の豊かさを育むのがいい」という意見や「一人一人が役割を果たし、それが形になっていくことが描かれているこの絵から、家族間や社会において役割を持つことの大切さを学べる。現代社会では親の働く姿を見ることが少なくなっているため、保護者を巻き込み、一緒に絵や道具に触れて、一緒に何か働いてみることを通して、子どもたちと暮らしや心の豊かさを考えることができる」といった、ひめラーなりに感じたことを互いにシェアする中で、「集落に生きる」という愛媛におけるウェルビーイングについて考えを深めました。
最後に、「本来の歴史文化のあり方は、過去と現在と未来の対話である」という考えのもと、井口先生が昭和初期の小田町での生活や暮らしを「子どもたちにどう伝えていったか」という実践の紹介をして、本日の講座は終了しました。
(art venture ehime スタッフ 鈴木宏佳)