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アクセス実践講座・コース2(今治市)第1回

2025.12.01

【アクセス実践講座・コース2(今治市)第1回】
日時|2025年8月23日(土)10:00 – 15:00(昼休憩1h)
場所|今治市玉川近代美術館 / 今治市民会館 など
講師|二宮敏(株式会社NINO 代表取締役 東京藝術大学共創拠点推進機構 地域コーディネータ art venture ehime プロジェクトマネージャー)

今回の講座では、art venture ehime fes 2025 会期中に予定している、「ひめラーによる丹下建築ツアー」の構想を深めるため、今治市各地で開催中の丹下健三に関する展覧会を訪れ、建築や都市について学ぶリサーチを行いました。

最初に訪れたのは、今治市玉川近代美術館での「丹下健三と隈研吾 東京大会1964/2020の建築家 パリから今治へ―凱旋帰国展」。今回の今治市における丹下建築展全体のキュレーターを務めている今治市文化振興課・田中謙さんにご案内いただき、作品や資料を通して丹下健三と隈研吾のつながりや、写真家・滝本幹也さんの建築写真について、お話を伺いました。

ひめラーたちも限られた時間の中で熱心に展示を見学し、積極的に質問を投げかけるなど、リサーチに取り組む姿が印象的でした。田中さんからは丹下健三の「芸術と建築の統合」という重要な視点についてもお話を伺いました。

続いて、今治市民会館へ場所を移し、「海と都市のデザイン展―歴史をつぐもの―」を見学していきます。ここでも田中さんの解説を交えながら、瀬戸内海と今治市の関係性、丹下建築と都市の成り立ちについて理解を深める機会となりました。

続いて、「アートコミュニケーションブック」でも取材させていただいた大野順作(大野順作建築研究所 代表)さんにご案内いただき、今治市民会館をはじめとした丹下建築群を実際に歩いて巡りました。

大野さんの解説を聞きながら、建築の細部のこだわりを感じるほか、建築単体としての特徴だけでなく、街の特性や都市計画と照らし合わせた設計となっていることを学び、丹下建築が持つスケールの大きさや思想を体感する機会となりました。

最後には、ひめラー同士で学びをシェアし、次回に向けた振り返りを行いました。講師の二宮敏さんから、このアクセス実践講座全体を通した学びを活かして、今後は各地域に出ていき、自分のフィールドで実践していくことが重要であるというメッセージが共有されました。講座全体のねらいを改めて意識しながら、今回の学びを次回へつなげていこうという前向きな姿勢が感じられる時間となりました。

今回の講座を通して、建築を単なる造形や機能として見るのではなく、「芸術と建築の統合」「都市と空間の関係性」といった広い視点で捉えることができました。art venture ehime fes 2025のテーマでもある「ここにある豊かさ」に照らし合わせ、ツアー設計を行う上で重要な観点となるかと思います。

ひめラーにとっては、地域の中でリサーチを重ね、そこで得た知見を来場者とのコミュニケーションにどう活かすか、さらにはこの先愛媛というフィールドにおいて、アートコミュニケータとして得た学びや、実践で得た経験値をどう地域に還元するか、考えを深め、その一歩を確かめる講座となりました。
(art venture ehime 運営スタッフ 鈴木 宏佳)

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